「妊活中と妊娠中って、必要な栄養は違うの?」
「授乳期はどうすればいい?」
調べれば調べるほど情報が出てきて、何をどの時期に意識すればいいのか、混乱しますよね。
大切なのは、ライフステージによって意識したい栄養が少しずつ変わるということ。
全部を一度に覚える必要はありません。今の自分の時期に合わせて、ひとつずつみていけば大丈夫です。
この記事では、妊活中・妊娠中・授乳期それぞれで意識しておきたい栄養と過ごし方を整理しました。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」と「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針」をもとにしています。
妊活中
妊活中は、赤ちゃんを迎えるための「カラダづくり」の時期。
食事、睡眠、ストレスケアを整えながら、いくつかの栄養素を意識しておくと安心です。
葉酸──「妊娠してから」では間に合わないことがある
ここは、意外と知られていないところです。
赤ちゃんの脳や脊髄のもとになる「神経管」がつくられるのは、妊娠のごく初期──おおむね妊娠7週より前。
でも、妊娠に気づくのは多くの場合5〜6週ごろ。
つまり、気づいてから摂り始めるのでは、いちばん必要な時期に間に合わないことがある。
だからこそ厚生労働省は、妊娠を計画している女性に対して、ふだんの食事(240µg)に加えてサプリなどから1日400µgの葉酸を摂ることを示しています。
葉酸をカラダにしっかり蓄えるには約1か月ほどかかるとされているので、妊娠を考え始めた段階から意識しておくのが理想的です。
たんぱく質──カラダの土台をつくる栄養素
たんぱく質は、ママのカラダと将来の赤ちゃんの成長に欠かせない栄養素。
肉・魚・卵・大豆製品など、毎日の食事から意識して摂りたいところです。
厚生労働省の食生活指針でも、「主菜を組み合わせてたんぱく質を十分に」と示されています。
1種類に偏らず、いろいろな食材から摂るのがポイント。
鉄──妊娠前から「貯金」しておきたい
ここも、先に知っておくと安心なポイントです。
妊娠すると、赤ちゃんへの鉄分供給や血液量の増加にともない、鉄の必要量が大きく増えます。
でも、妊娠してから急に鉄を増やそうとしても、なかなか追いつかない。
実は、日本の若い女性は鉄の摂取量が推奨量に届いていない方が多いとされています。
妊活中から、赤身の肉、レバー(食べすぎには注意)、ほうれん草、小松菜、あさりなどで鉄の「貯金」を意識しておくと、妊娠してからが楽になります。
ビタミンD──日本人に不足しやすい栄養素
ビタミンDは、カルシウムの吸収を助ける栄養素。
日光を浴びることでカラダの中でもつくられますが、紫外線対策をしっかりする方や室内で過ごす時間が長い方は不足しやすい傾向があります。
食事摂取基準(2025年版)では、妊婦の目安量は8.5µg/日。
鮭やきのこ類、卵黄などに含まれています。
妊活中は「カラダ全体」を整える時期
栄養だけでなく、睡眠やストレスケアも大切です。
厚生労働省の食生活指針(2021年改定版)では、「妊娠前から、バランスのよい食事をしっかりとりましょう」と、妊娠前からの準備を強く打ち出しています。
これは2006年版にはなかった視点で、妊娠前からの食生活がおなかの赤ちゃんの将来にも影響しうることが研究で示されてきたため。
完璧にする必要はありません。
まずは「主食・主菜・副菜をそろえた食事を1日2回以上」を目安にしてみてください。
妊娠中
妊娠がわかると、カラダの中では大きな変化が始まります。
必要な栄養素の量も変わってくるので、時期ごとに少しずつ意識を切り替えていくのがポイントです。
時期別に変わる栄養素の目安
意外と知られていないのが、「妊娠初期と中期以降では必要量が違う」ということ。
| 栄養素 | 妊娠初期 | 妊娠中期・後期 | ひとこと |
|---|---|---|---|
| 葉酸 | 食事240µg +サプリ400µg |
食事から480µg (サプリの追加は基準なし) |
初期はサプリが重要。中期以降は食事中心に |
| 鉄 | +2.5mg/日 | +9.5mg/日 | 中期以降に大幅に増える。貧血注意 |
| たんぱく質 | 付加量なし | 中期+5g、後期+25g | 後期は赤ちゃんの成長に合わせてしっかり |
| カルシウム | 推奨量650mg/日(付加量なし) | もともと不足傾向。妊娠前から意識を | |
| ビタミンD | 目安量 8.5µg/日 | カルシウムの吸収を助ける | |
※出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書
※付加量は非妊娠時の推奨量に加える量です。
この表でみてほしいのは、鉄の付加量が妊娠中期以降に大きく増えること。
妊娠中に健診で「貧血ですね」と言われる方は多いですが、それは赤ちゃんへの鉄分供給と血液量の増加が原因。
中期以降はとくに意識して、赤身の肉や魚、大豆製品、小松菜などから鉄を摂りたいところです。
カルシウムに「付加量なし」の理由
ここ、意外じゃないですか?
「妊娠中はカルシウムをたくさん摂らなきゃ」と思っている方は多いですよね。
でも実は、食事摂取基準ではカルシウムに妊婦の付加量は設定されていません。
理由は、妊娠中はカラダがカルシウムの吸収率を自然に高めるとされているから。
ただし、日本人女性のカルシウム摂取量はもともと不足傾向にあるので、妊娠前から乳製品・緑黄色野菜・豆類・小魚などで意識的に摂っておくことが大切です。
つわりの時期は「食べられるものを食べる」で大丈夫
妊娠初期のつわりは、食事どころではない日もありますよね。
無理をして食べようとすると、それ自体がストレスになってしまうことも。
つわりの時期は、栄養バランスよりも「食べられるものを、食べられるときに」が基本です。
水分はこまめに摂ること、食べられそうなタイミングで少量ずつ摂ること。
この時期にサプリを飲むのがつらい場合は、小粒タイプやにおいの少ないものを選ぶと続けやすくなります。
食事がまったくとれない、水分も受けつけない場合は、がまんせず医療機関に相談してください。
「ちゃんと食べなきゃ」と自分を責めなくて大丈夫です。
妊娠中に気をつけたい食べ物
栄養を意識することと同じくらい、「避けたほうがいいもの」を知っておくことも大切です。
| 食品 | 気をつけたい理由 |
|---|---|
| レバー(とくに鶏レバー) | ビタミンA(レチノール)が非常に多い。妊娠中の過剰摂取はおなかの赤ちゃんへの影響が指摘されている。週1回程度を目安に |
| 生肉・生ハム・ナチュラルチーズ等 | リステリア菌やトキソプラズマの感染リスク。加熱して食べると安心 |
| 大型の魚(本マグロ、キンメダイ等) | 水銀量が多い傾向。食べすぎに注意(週1回程度に) |
| カフェイン | 1日200〜300mg程度(コーヒー2杯目安)までが一般的な目安。過剰摂取は避ける |
| アルコール | 妊娠中は量にかかわらず控える |
とくにレバーは「鉄分が多いから積極的に食べよう」と思いがちですが、ビタミンAの過剰摂取リスクがあるので、毎日大量に食べるのは避けてください。
鉄分は、赤身の肉や魚、大豆製品、小松菜など他の食材でバランスよく摂るのがおすすめです。
授乳期
出産後は、母乳や育児でエネルギーをたくさん使う時期。
赤ちゃんのお世話に追われて、自分の食事がおろそかになりやすいのも、この時期の特徴です。
授乳期に意識したい栄養素
| 栄養素 | 付加量(非妊娠時にプラス) | ポイント |
|---|---|---|
| エネルギー | +350kcal/日 | 母乳をつくるためにエネルギー消費が増える |
| たんぱく質 | +20g/日 | 母乳の材料になる。肉・魚・卵・大豆をしっかり |
| 葉酸 | +100µg/日(食事から) | 合計340µg。サプリの追加基準はなし |
| 鉄 | +2.5mg/日 | 出産時の出血回復+母乳産生で必要 |
| ビタミンD | 目安量 8.5µg/日 | 赤ちゃんの骨格形成にも関わる |
| カルシウム | 推奨量650mg/日(付加量なし) | 引き続き意識的に。ママの骨の健康にも大切 |
※出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書
「産後ダイエット」に注意
ここは、ちょっと立ち止まって考えてほしいところです。
産後すぐに体型を戻したいと思う方は多いですよね。
でも、授乳期に極端な食事制限をすると、母乳の質や量に影響が出たり、ママ自身のカラダの回復が遅れたりすることも。
授乳期は、非妊娠時よりも1日あたり約350kcal多くエネルギーが必要とされている時期。
「食べなければ痩せる」ではなく、「しっかり食べて、カラダを回復させる」ほうが、結果として健康的な体型に近づきやすくなります。
水分を意識する
母乳の約88%は水分でできています。
授乳のたびにカラダの水分が使われるので、こまめな水分補給を意識してみてください。
目安は、食事以外で1日約1.5〜2リットル程度。
カフェインの入っていない麦茶やルイボスティー、お水などがおすすめです。
自分のことも、後回しにしない
赤ちゃんのお世話で忙しいと、ママ自身の食事は「残りもの」「立ったまま」になりがち。
でも、ママのカラダが元気でいることが、赤ちゃんにとっても大切なこと。
作り置きや冷凍ストック、パートナーや家族のサポートを上手に頼りながら、休める時間を確保することも「栄養」のひとつです。
基本の考え方
ここまで時期別に整理してきましたが、どの時期にも共通する大切なことがあります。
① 完璧に整える必要はない
「毎日バランスの良い食事を」と言われると、それだけでプレッシャーになりますよね。
でも、完璧な食事を毎日続けられる人はほとんどいません。
「今日は野菜が少なかったから、明日はスープにしてみよう」
くらいの気持ちで大丈夫。毎日の小さな選択の積み重ねが、結果として栄養のバランスを整えてくれます。
② 食事が基本、サプリは補助
サプリメントは食品であり、医薬品ではありません。
まずは毎日の食事を基本にして、食事だけではカバーしきれない分をサプリで補う。
この順番を意識しておくだけで、サプリとの付き合い方がぶれにくくなります。
ただし、妊活中〜妊娠初期の葉酸だけは、厚生労働省がサプリからの摂取を示しているので、食事+サプリの両方を意識してみてください。
③ 困ったら専門家に相談する
「これで合っているのかな?」と不安に感じたときは、ひとりで抱え込まなくて大丈夫。
かかりつけの産婦人科医、助産師、管理栄養士など、頼れる専門家に相談してみてください。
とくにつわりで食事がとれない時期や、体調に不安がある場合は、早めの相談が安心につながります。
④ 「食べ方」もひとつの栄養
ここは、栄養素の話とは少し違う視点。
厚生労働省の食生活指針(2021年改定版)には、「からだと心のゆとりは、周囲のあたたかいサポートから」という項目が新たに加えられました。
何を食べるかだけでなく、どんな気持ちで食べるか。誰と食べるか。
忙しい毎日のなかでも、食事の時間を少しだけ「自分のための時間」にしてみる。
それだけで、栄養の受け取り方もカラダの感じ方も変わってきます。
「ちゃんとしなきゃ」よりも「続けられる形」を選ぶ。
毎日できる小さな選択を積み重ねていくことが、いちばん大切な栄養習慣の土台です。
※体調に不安がある場合や持病のある方は、かかりつけの医師や薬剤師に相談のうえでお選びください。
栄養の整え方に迷ったら
時期ごとに意識したい栄養はわかっても、毎日の食事だけですべてをカバーするのはなかなか大変。
とくに仕事や家事、上の子のお世話をしながらの妊活・妊娠期は、自分の食事まで手が回らない日もありますよね。
わたし自身、子育てや家族の健康に向き合うなかで、「何をカラダに入れるかは、暮らしの質に関わる」と実感してきました。
だからこそ、後悔しない選び方のために必要な知識を、このサイトで伝えていきたいと思っています。
先に知っておくと、選び方が変わる。
選ぶ基準があると、迷い方も変わる。
毎日の食事を基本にしながら、足りない分を補う選択肢を探しているなら──
ライフプラスも、そのひとつとしてみてみる価値があると思います。
葉酸サプリの選び方や各社製品の比較については、こちらの記事もあわせてどうぞ。
👉 葉酸サプリの選び方|妊活中・妊娠初期のママがみておきたいポイント
※サプリメントは食品であり、医薬品ではありません。
※特定の病気の診断・治療・予防を目的としたものではありません。
※食生活は、主食・主菜・副菜を基本に、バランスのよい食事を心がけてください。